17億円調達したWeChatでギフトを贈る「Liwushuo」を解説

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ECプラットフォーム「Liwushuo」が資金調達

 電子商取引プラットフォーム「礼物说(Liwushuo.com)」は、C1ラウンドで1億人民元(17億円)の資金調達を完了した。過去には、セコイアキャピタル・チャイナ(红杉资本中国)、テンセント傘下のファンド腾讯产业基金、广渠资本(Guangqu Capital)から出資を受けていた。今回の資金は、ミニプログラムの改善およびマーケティングに使用される。

 

WeChatのミニプログラムを試験的に開始

 今年2月、「Liwushuo」はWeChatのミニプログラムのアルファテストを開始した。WeChatのミニプログラムとは、WeChat内で利用できるアプリだ。日本のLINEでいえば、LINE PayやLINEギフトのようなサービスに当たる。

 中国の中間層をターゲットとした「Liwushuo」のミニプログラムは、LINEギフトと似たような使い方(LINEさえ知っていれば、友達にギフトを送れるサービス)だ。WeChatには、「WeChat紅包」というお年玉(現金)を送る機能があるが、今回の「Liwushuo」はギフトを送ることができる。ギフトを受け取るユーザーは、住所などの情報を記入した後、宅配便などで贈り物を受け取る仕組み。「Liwushuo」と「LINEギフト」の違いは、後ほど説明する。

 

WeChat「Liwushuo」でのギフトの贈り方

WeChatからの「Liwushuo」の使い方は、下記の手順でおこなう。
まず、WeChatで「礼物说小程序」を検索し、ミニプログラムの「礼物说」をクリックする。

下図は、ミニプログラムをクリックした後の画面。ここでは、ギフトを贈る大まかな流れが示されている。ギフトを選び、送り先を選んだら、メッセージを添えることができる。

ギフトを贈るユーザーは、「Liwushuo」のECショッピングモールでギフトを選ぶ。購入金額は、1~1000人民元(17~1.7万円)までと設定されている。

ギフトを選んだら、一番下の「友達に送る」をクリック。

贈り方が「Liwushuo」の特徴であり、「LINEギフト」と異なる点だ。選んだギフトの送り方は、3パターンから選ぶ。

①「直接相手に贈る」
これは、LINEギフトと同様で、送り先である特定の個人にギフトを贈るパターンだ。

②「抽選時間を設定して贈る」
「Liwushuo」では、ギフトの送り先を複数人のグループに設定できる。グループ人数に対して、ギフトの数が少ない場合、自動的に抽選となる。贈るユーザーは、抽選結果が発表される時間をあらかじめ設定しておくのだ。時間内までにWeChat上で参加した友達の中から、自動的にギフトが贈られる仕組みとなっている。

③「人数を設定して贈る」
先ほどの時間設定だけでなく、参加する人数を設定することもできる。ギフトが欲しい友達が、設定したに人数に達すると、自動的に友達にギフトが贈られる仕組みだ。

 

 実は、「Liwushuo」は元々アプリも開発していた。今回のWeChatミニプログラムを開始した理由は、約8億人の「WeChatお年玉」のユーザーと、1.7億DAUの「WeChatミニプログラム」の市場規模だ。現在、「Liwushuo」には、3000人のハイエンドユーザーと50万人以上の一般ユーザーがおり、翌月の継続率は26%である。また、ハイエンドの客単価は350人民元(約6000円)であり、リピート率も高い。一部のユーザーは1週間に1万人民元以上のギフトを贈っているそうだ。

今回のテスト期間中、多数ブランドと共同でマーケティングをおこなった結果、3日間の注文件数は10万件となり、20万件以上のギフトが贈られた。

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